バラード平成 〈薪ストーブ〉
帯広に程近い芽室町に在る手造りペンションに泊めて
いただいた時に写した蒔きストーブです。
今から20年以上も前の4月のことです。
4月といっても夜間の温度は7度前後で暖房なしでは過ごせません。
オーナーが2Lサイズの大根ほどの焚き木を投げ込む度に
大きな唸り声をたてて勢い良く燃えあがる。
オーナーによると、この薪ストーブは60万円もする
アメリカ製とのこと。
これ一台で、二十畳程の広さのラウンジは暑いくらいだ。
此処は帯広の繁華街からは16㌔も離れており、近くにコンビニも
なければ自販機すらない。
周りは、芋類や玉ねぎ等を植えた農地が広がっているばかりで
部屋の窓からは、遠くに見える街灯が小さく見えるだけです。
熱燗を飲みたい気分だったのだが仕方がない。
身体を横にして文庫本を手にするしかなかった。
そんな時にオーナーが部屋の扉を叩いて声をかけてくれたのだった。
「宜しければラウンジで一緒に飲みませんか?」
オーナーが地酒とピーターポール&マリー(PPM)の曲を流して
もてなしてくれました。
毎晩、泊まった客に声をかけて、手持ちのアルコール類や肴と
身の上話しを持ち寄って、このストーブを囲んで語り合うとの
ことでしたが、その日の宿泊客は私一人だったのです。
薪ストーブの熱と炎と燃え盛る音と煙り
20年以上前のことなのに、500mileを聞くといつも思い出します。
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