牛丼一杯には2,000㍑の水が必要です
仮 想 水
仮想水とは、農産物や畜産物の生産に使われた水も同時に
売買されたり消費されているとの視点に立った考え方です。
例えば、牛を育てるためには餌となる穀物の育成に大量の水が使われます。
同じく、玉ねぎやショウガなども水なしでは生産できません。
この視点で考えると、1杯の牛丼を作るためには何と2,000リットルの水の
消費によって成り立っていることになります。
1杯の牛丼を食べるときには、目に見える食材だけではなく
2,000リットルの水も同時に体内に入れるのと同じだということです。
現在の日本の食料自給率は40%ですが、これを仮に10%上げるためには
農産地やそれに従事する労働力の確保と同時に、食物を育てるための水が
140億トン必要となるということも考えなくてはなりません。
140億トンという数字は、日本中の家庭で消費される1年間分の水量に
匹敵します。
その水、しかも安全な水の確保が今後の大きな課題となっています。
我々は食べ物の安全性を考えるときには、生産地や使われている材料や
添加物のことを気にします。
それはそれで大事なことには違いありませんが、それと同時に
生産するために使われた水の安全性のことまで考えなくてはならない
ということです。
酸性雨や放射能、地下水の汚染など水を取り巻く環境は決して明るくは
ありません。
近い将来、食品の売買には生産地や添加物の記載だけではなく
使われた水の安全性を謳うことも文言も加えられることになるでしょう。
コメント